篠笛を聴く
息子と
篠笛の演奏会へ。
篠笛、それは私にとっては未知の世界。
ただ演奏会があると聞いただけでは
息子を連れて行くことは
なかったかもしれない。
でも今年の夏、
出会ったばかりの彼女が奏でた
「童神」の音色が忘れられず、
迷わず参加を決めた。
「遠い昔一緒に踊って祈っていたよね」
そんな懐かしさとあたたかさが
美しい音色に導かれた夏の日。
そして今回は氷川の地で
その懐かしくも美しい音色に酔いしれる。
能舞台での演奏会。
豊かな響きが伝統と
今の私達が生きているこの世界を繋ぐ。
三重奏の重なりの心地よさが
魂が求める調和を呼び覚ます。
篠笛で演奏される曲のイメージが
覆される選曲。
それが選ばれた意味が心に沁み入る。
「島唄」の背景を聞いてから
その演奏を聴く時、ますます心が震えた。
たくさんの人の想いや愛がみえた。
途中で膝の上で寝ちゃった息子を
抱きながら聴いた
「what a wonderful world」
に涙が溢れる。
興味がなさそうだった息子にも
美しい響きと
世界が素晴らしいってこと
伝わったんじゃないかなと思う。
そして今回誘ってくれた
魂の友の舞と篠笛の共演…
風のような心地よさの音に
深い深い母の祈りが満ちる。
水のように流れる舞に
清い清い平和への願いが立ち現れる。
ずっとずっと前から知っている
この舞台は必然だった。
そんな感覚で私は幸せに包まれる。
知らなかった美しい世界に
出会いが誘ってくれる。
それはいつでも私の悦び。